
だけれども、私のその大祓詞奏上の原点は、若いときに教えてもらった荒木田禰宜さんという祭務部長の姿勢にあります。この部長さんが、部長室で大祓の前になると冒頭の言葉「高天原に」、それだけで五分も十分もやっているのです。考えてみれば、最初の発声、最初の音で最後までそれで続くのかどうか決まってくる。その稽古をあれだけの経験を積んだ禰宜さんが、この言葉というものの重さ、そこから確認しながら稽古を積んでいる。それが私の心の支えとなりました。
そして、その禰宜さんが明治神宮崇敬会の中庭参拝で、千二百人もいる中で挨拶する。
そのときに、荒木田さんは『出征のときのあのお顔、あのお声』、それだけ大きな声で言って、しばしの間を取る。だけれども、千二百人の明治神宮崇敬会の人たちが、皆戦中世代の人たちだったのですが、それだけでもうみんなポロポロと涙を流しているのですよ。もう場の雰囲気がその言葉だけで、涙が流れるような雰囲気が場を支配するのですね。
言葉というのは大きな力を持っていることを強く感じました。
だから自分の言葉で、人の心に届くように、御英霊の話をするように頑張ってください。本当にできますよ。
そういう神職が出てきて初めて、さすが靖國さんから来てもらってよかったな、今日はいい話を聞けたな、そういうふうになれば、話を聞いた多くの人たちが九段のお社にたくさんお参りに来るようになる。皆さんはそのためのお務めがあるのだろうと思います。
本当に何か上からの物言いをして大変恐縮でしたけれども、私が本当に願うこととしてお話をしました。『戦時青年、ただに讃へむ』という本はそういう思いで書きました。
誰に向かって書いたかというと、靖國神社の若い皆さん、後輩の皆さんにこれを読んでもらいたいなと思って書いた本なのです。これは私の本音です。
ですから、今回の講話の中で一つでも参考になるような資料があったら生かしてもらって、そして役に立ててもらいたいと願っております。
本日は最後まで熱心に聞いていただいて、ありがとうございました。これで終わります。
司会 野口様、お話を賜りましてありがとうございました。
それでは、今日の講演に対しまして、皆様で質問等がありましたらお受けいたしたいと思います。質問はありますか。ありましたら、どうぞ挙手をいただければと存じます。
野口 質問はなかなか難しいですよね、こういう場合は。だけれども、もしよければ自分なりに今日聞いた話の感想を書いてみてください。書いてみたら分かりますよ、自分がどれほどのものか。自分自身をはかるバロメーターになります。警察学校生ほどの感想が書けるかどうかです。自分に問いかけながら今日の感想を、誰に発表するわけでもないし、でも皆さんの自分の記録として感想を書いたら、きっと役に立つと思います。質問がなければ、それで結構です。
司会 それでは、これで今日の講演をお収めとさせていただきます。野口様、本日は講演をいただきまして本当にありがとうございました。 おわり

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